〔H23.11.1~30 「千葉県で絶滅が危惧される野草: 森の図書館」展示 全24点〕
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A: 最重要保護生物
マツムシソウ
(松虫草)


〔撮影〕古室 邦子
花の終わったあとの坊主頭のような姿が仏具の「伏鉦」(ふせがね、俗称を松虫鉦といい、虫の音に由来とか)に似ていることからついたといわれる。また、松虫の鳴く頃に咲くからとの説もある。北海道から九州の山地の丘陵や草原に生育する草丈60~90㎝の越年草で、花期は8~10月。よく分枝する茎頂に3~5cmの淡青紫色の花を付ける。
ソ バ ナ
(岨 菜)


〔撮影〕黒田 準介 
由来は岨(そま:切り立った崖)のような場所に生えるからとの説が有力である。本州から九州の主に山道の見上げるような林の縁に生育するキキョウ科の多年草で、草丈は50~100cm。8~9月頃、斜めに伸びた茎の先に紫色の釣鐘型の花を咲かせる。
ハマオモト
(浜万年青)


〔撮影〕勝田 絢一
海岸の砂地に生え、常緑の葉がオモトに似る為。文学作品などでなじみの別名はハマユウで浜木綿と書く。花期は7~9月で草間から高さ50~80㎝の花茎を伸ばし、先端に芳香のある白色花を多数つける。種子は水に浮くので、海流に乗って遠方へ散布される。ヒガンバナ科の多年草。
キキョウ
(桔 梗)


〔撮影〕上杉 健治
由来は漢名の桔梗を音読みしたもの。日当たりの良い山野に育つキキョウ科の多年草。草丈は50~150㎝で6月~9月に星型の花を咲かせる。蕾が徐々に縁から青紫に変わる雄性先熟の花。去痰、解熱などの生薬としても利用される。秋の七草として馴染みが深いが目にするのはほとんど栽培種で自生のものは稀。環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(UV)に指定されている。
マイヅルテンナンショウ(舞鶴天南星)

〔撮影〕須賀 延寿
葉の形が羽根を広げた鶴に似ているからとか、花を含めた草姿を羽ばたく鶴に見立てたなどの説がある。天南星は漢名。湿った草地に生えるサトイモ科の多年草で草丈は50~100cm。花期は5~6月で花序の付属体が長く上に向かって伸びるのが特徴。岩手県から鹿児島県まで分布しているが個体数は少なく、環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(UV)に指定されている。
サギソウ
(鷺 草)


〔撮影〕三科 利治
花の形がシラサギの飛ぶ姿に似ている事に由来する。日当たりのよい湿原等に生育する草丈20~30cmのラン科の多年草で、開花期は7~8月。その美しい姿から乱獲が進み、野生のものはほぼ絶滅に近く、自生・栽培ともに各地で大切に保護されている。現在では環境省の準絶滅危惧種(NT)に指定されている。
ヒツジグサ
(羊草・未草)


〔撮影〕山本 修史
花が羊(未:ひつじ)の刻(午後2時ごろ)に咲くことからつけられた。しかし実際は午前10時ごろから咲き始め、夜は閉じる。日本全国の池沼などに生えるスイレン科の多年草で、冬には浮葉が紅葉して枯れる。5㎝ほどの白い清楚な花は6~9月まで咲く。
B: 重要保護生物
ア ヤ メ
(菖 蒲)


〔撮影〕 古室 邦子
並列する葉が美しい文(あや)をなすところから文目(アヤメ)となったとか、外花被片の基部に黄色と白の網目状の模様あることから文目と名付けられたなどの諸説がある。漢字(漢名)は「菖蒲」と書くが「ショウブ」はサトイモ科のショウブのことで、別の植物。全国の丘陵地や山地のやや乾いた草地に生える多年草で花期は5~7月。
トキソウ
(朱鷺草)


〔撮影〕勝田 絢一
花の色が朱鷺の羽根色に似ていることからの命名。山地の日当たりのよい湿地に生育するラン科の多年草で茎は真っ直ぐ立ち、高さ10~30㎝。横に這う地下茎を伸ばして群生する。花期は5~7月で茎先に2~3cmの淡紅色の花を一輪つける。
ア サ ザ
(浅沙・莕菜・荇菜)


〔撮影〕須賀 延寿
浅い水辺に生えるので「浅く咲く」が転じたとか、朝早く咲くことから「朝咲」が転じてアサザになったなどの説がある。本州・四国・九州の池や沼に生育するミツガシワ科の多年草で、水底に葡匐(ほふく)茎を伸ばして繁殖する。花期は6~9月で鮮黄色の1日花を咲かせる。繁殖力は旺盛であるが生育地が減少し、環境省の準絶滅危惧種(NT)に指定されている。 
ユリワサビ
(百合山葵)


〔撮影〕櫻井 経夫
秋に葉の基部が急速に肥大するが、葉が枯れても肥大した基部は残る。その基部がユリの鱗茎に似ていることと、ワサビの風味があることから付けられた。山地の湿った林下に生育するアブラナ科の多年草で、草丈は12~25cm。3~5月に花弁4枚からなる白い小さな花をつける。ワサビとよく似ているが葉は小さく草丈も低い。花もワサビに比べ、まばらにつく。
ミズキンバイ
(水金梅)


〔撮影〕櫻井 経夫
水辺や水中に生え、黄金色の花がキンポウゲ科のキンバイソウに似ていることからつけられた。草丈20~50㎝のアカバナ科の多年草で、7~9月に花をつける。地下茎を長く伸ばして繁殖するが、この地下茎から白い呼吸根を水上に出すことがある。開発による生育地の減少から個体数が減少し、環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(UV)に指定されている。
カタクリ
(片 栗)


〔撮影〕林 慶三 
食用にする根の鱗片が栗の片割れに似ることや、万葉集に出てくる「堅香子(かたかご)」の転訛など諸説がある。日当たりの良い落葉広葉樹林に群生するユリ科の多年草で、早春に下向きに薄紫から桃色の花を咲かせる。葉には帯紫色の模様がある。3~4月に地上部を展開し5月上旬には葉や茎は枯れ、翌年春まで休眠する。平成6年11月に柏市の花に制定。
C: 要保護生物
コオニユリ
(小鬼百合)


〔撮影〕上杉 健治
小さいオニユリの意味。また、オニユリは黒い斑点のある赤橙色の花を赤鬼の顔に見立てたものとの説が有力。山野の林に生えるユリ科の多年草で草丈は1~1.5m。花期は7~9月。オニユリがやや大ぶりで、葉の付け根に珠芽(むかご)を付けるのに対し、コオニユリは付けない。
キツリフネ
(黄釣舟)


〔撮影〕須賀 延寿
黄色い花をつけるツリフネソウ。ツリフネソウは花の姿を吊下げた舟に見立てたものとか花器の「釣舟」に似ているからなどの説がある。山地の湿った場所に生育し、乾燥と暑さに弱い。6~9月頃、葉の脇から細い花茎を出し、数個の花をつける。蕾の時には葉の上にあるが、花の頃には下に垂れる。ホウセンカの仲間で熟果に触れると種がはじける。
ギンラン
(銀 蘭)


〔撮影〕櫻井 経夫
黄色い花をつけるキンランに似て、花が白いのを銀色とみなしてギンランとなった。山地の落葉樹林下などに生育するラン科の多年草で、草丈は10~30cm。長楕円形の葉先はとがり、3~6枚の葉が互生する。5~6月頃に花がまとまってつくが、半開きで全開はしない。
クモキリソウ
(蜘蛛切草)


〔撮影〕山本 修史
諸説あるが花が蜘蛛を散らしたような形であることからの命名が有力。日本全国の山地や低地の林下に生育するラン科の多年草で草丈は10~20cm。花期は6~8月で茎先に淡緑色の地味な花を数個付ける。対生する葉の縁が細かく波打つのが特徴。
キンラン
(金 蘭)


〔撮影〕林 慶三
ラン科の植物で、黄色い花色を金に見立てたもの。山野の林内に生える草丈30~60cmの多年草。花期は4~6月で上向きに咲き、半開する。人里に近いところに目立つ花を咲かせるため乱獲が進み、個体数が激減。環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(UV)に指定される結果を招いている。なお、ラン菌(腐性菌の一種)への依存度が高く、人工栽培はきわめて難しい。
D: 一般保護生物
コクラン
(黒 蘭)


〔撮影〕野々子
ラン科の植物で花の色が黒紫色であることからの命名。茨城県以西の本州・四国・九州など、暖地の常緑広葉樹林内に生える草丈15~30cmの多年草。花期は6~7月で花茎の先端に黒紫色の花を5~10個、まばらにつける。
タカアザミ
(高 薊)


〔撮影〕野々子
草丈が1~2m、場合によっては3mにもなり、草丈が高いことによる。アザミは諸説あるがその花の美しさに関わらずトゲが多く「あざむ」=驚きあきれる、興ざめするの意からという説が面白い。長野県以北の河原や少し湿り気のある草地に生える北方系のアザミで、花期は8~10月。2~4cmの頭花を多数、下向きに咲かせる。
コバギボウシ
(小葉擬宝珠)


〔撮影〕三科 利治
同じ仲間のオオバギボウシに対し、葉はもちろん全体の草姿が小さいことからの命名。またギボウシは蕾が擬宝珠(橋の欄干の上部の飾り金具)に似ていることによる。日本在来の草丈30~60cmのユリ科の多年草で、ほぼ日本全土の湿原やその近くに自生する。花期は7~8月で淡紫色の花を横向きにつける。斑入りの栽培種を含め、庭花として馴染みが深い。
E: 消息不明:絶滅生物
ナミキソウ
(波来草・浪来草)


〔撮影〕古室 邦子
波が打ち寄せる海岸に生えることから名付けられた。また、花の形が波の押し寄せてくる様子に似ているからとの説もある。前述の通り、北海道から九州の主に海岸に生育するシソ科の多年草で、草丈は10~40cm。花期は6~9月で、2㎝ほどの唇形花を対生する葉の葉腋に1個ずつ付け、2個が同じ方向を向き、基部で曲がって起き上がるようにして咲く。
カイジンドウ
(甲斐竜胆)


〔撮影〕黒田 準介
「甲斐の国に咲く竜胆」から甲斐竜胆(かいりんどう)、これが転訛したものという。山地の落葉樹林や草原などに生えるシソ科の多年草で草丈30~40㎝。葉や茎に白い毛を密生させる。5~6月頃、茎頂に紅紫色の花を密集して咲かせる。環境省の絶滅危惧Ⅱ類(VU)にも指定されている。
オクモミジハグマ
(奥紅葉白熊)


〔撮影〕黒田 準介
ハグマ(白熊)とはヤク(チベットなどに生息するウシ科の動物)の尾のことで、仏事に使う払子や兜や槍の装飾に使われた。花の姿をハグマに見立て、葉がモミジに似て深山に生えることからの命名。山地の木陰に生えるキク科の多年草で、草丈は40~80cm。8~10月頃に白い花を横向きにつける。
                      
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